フリーランス美容師が増加傾向。会社員との違いとその背景、今後はどうなる?

働き方が見直される昨今。コロナ禍を機に、今の仕事を続けるべきか、考えを改める方も多いのではないでしょうか?

ここ数年、美容業界にも働き方改革が起き始めています。

美容師の平均年収は300万円ほどと、未だ低い水準にあります。そのため技術を持っていても離職する人が後を絶えません。

そんな中、「フリーランス」を選択する美容師が増えているのです。

では、なぜフリーランス美容師は増加傾向にあるのでしょうか?

今まで“会社員”美容師はこうだった

美容師の給料は、多くの場合「基本給」と「歩合給」で構成されています。

美容師の「基本給」は、小売業と同じように「営業時間に常駐すること」に対して支払われています。つまり“拘束時間”です。

「歩合給」は「お客様を担当した売上」から換算されます。自身の仕事量でたくさん売り上げるほど、給料は割り振られるため、月収、年収を上げることができます。

ですが、平均年収が上がらない理由は別にあります。

拘束時間と激務、薄利多売で安月給

2000年代以降、美容室がお客様を呼び込む“窓口”は、ネット上の「クーポンサイト」になりました。「クーポンサイト」は圧倒的な集客力を誇り、お客様は数ある美容室から魅力的なお店を選び取ります。

クーポンサイト内に登録の無い美容室には、お客様が来店するチャンスに恵まれません。そのため多くの美容室は、「クーポンサイト」に多額の掲載費をかける形になりました。

しかしクーポンサイトに掲載することで、「商品(美容師の技術)」は「クーポン」された価格で売ることになります。すると「技術の値段」は安くなり、数を多く売らないと売上を上げられず、「薄利多売」することになります。

ですが、忙しく働いても1日でできる「お客様の数」には限界があります。つまり回ってくる「歩合」も少ない、すると「安月給」になってしまいます。

そのため多くの美容師は、長い「拘束時間」と「激務」に対して、「薄利多売」で「安月給」な仕事をしているのです。

多くの美容師が続けられない、辞めて当然の世界

そのため、美容師は30代までの離職率が圧倒的に多く、現役美容師の平均年齢も30代前半です。

それは、技術を得るまでの「アシスタント」の間にドロップアウトする方が多いこと、そして「スタイリスト」になってからも安月給を強いられることにあります。

家庭を持つ人も増える30代の美容師は、「年収が低い」ことによる将来の不安から、転職に踏み切る方が多いのです。

フリーランス美容師が増えている背景

フリーランス美容師が増えている理由は、「キャリアアップ」にあります。

多くの美容室は1〜3店舗ほどの小規模な運営をしているため、一般的な会社にある「役職」の概念は少なく、社内で昇級する目標は「歩合給」を上げることぐらいです。

そのため沢山のお客様から指名され、売上を上げられるようになった美容師は、次のステップを考えるようになります。それは、「独立」「開業」です。

今までは「開業する」しかキャリアアップが無かった

10数年前まで美容師にとっては、「開業」こそが美容師の「出世」でした。いつかは自分の“城”を構えたい、と励み続けてきました。

ですが、美容室の「開業」は一般的な小売業、飲食業よりも専門的な機材が多いため、初期費用がかかります。また利便性が必要なため、駅近など人気の地域のテナントをおさえなくてはなりません。さらに「クーポンサイト」の掲載費も上乗せされます。

そのため一から「開業」することは、簡単ではありません。

SNSによって集客が個人でできるようになった

今まで美容師は、美容室に所属することで「クーポンサイト」による集客の恩恵を得ていました。それ以外の方法は、主にお客様からの「友達のご紹介」でしたが、それはあくまで“受動的”な手段でした。

ですが2010年以降、スマホやSNSの普及によって、状況が一変します。

美容師は、自身のSNSでヘアスタイルを気軽に載せるようになりました。高画質な写真や動画も簡単に撮ることができ、毎日の営業で仕上げた「お客様のヘアスタイル」によって、集客のアピールができます。

また、スマホ一つで直接予約のやり取りもでき、美容室が契約する「クーポンサイト」を介すことなく、個人の発信からの集客が可能になりました。

つまりSNSは、美容室に所属することとは関係なく、個人が“能動的”に集客できるツールになったのです。

コロナ禍によるライフスタイルの変化

美容師に限った話ではなく、このコロナ禍によって、ワークバランスを見直す方が増えました。

「拘束時間」「激務」「薄利多売」「安月給」な美容師にとって、コロナ禍が生んだ“時間の余白”は、現状を考え直すに余ある出来事となっています。

フリーランス美容師になるまでのプロセス

実際に、フリーランス=個人事業主になるためには、自治体への申請、美容室との契約などの手続きが必要になります。

個人事業主になるための申請

個人事業主になる第一歩は、「青色申告」と「開業届」を住んでいる自治体に提出することです。

これらは役所に出向けば、すぐに書類を用意してくれます。

どのようなスタイルで働くか、会社と契約するまで

フリーランス美容師の働き方は「業務委託」と「面貸し」に分かれます。

「業務委託」とは、美容室側が「髪を切ること(業務)」を「美容師に依頼して託す(委託)」ことです。

集客は美容室が行い、担当した売上に対する報酬を受け取る形です。分業されるため、「髪を切る業務」以外の制約が少ないことがメリットです。

「面貸し」とは、美容室(シェアサロン)から自分が集客したお客様の髪を切る場所(セット面)を借りることです。主に、売上に対するロイヤリティ(地代や光熱費諸々の代金)を差し引かれた額が報酬になります。

お客様は自分で集客、管理することになるので、既に自分の顧客が多くいる美容師に有効です。

年金、国民健康保険の手続き、確定申告

個人事業主になると、会社員の間は会社が管理していた「年金」「国民皆保険」「確定申告(会社員の場合は年末調整)」を自分で管理することになります。

そのため、離職するときに脱退、退会の手続きをした「年金」「国民皆保険」に加入の手続きをし直す必要があり、また年度末には「確定申告」を申請することが義務付けられています。

フリーランス美容師になるのは難しくない

個人事業主の美容師はまだまだ少数派ですが、業種を問わず個人事業主で働く方は沢山います。実際に「フリーランスが当たり前で、会社に所属するのが少数派」という業界のお話も聞くこともままあります。

守るべきルールさえ理解すれば、フリーランス美容師は難しいワークスタイルではありません。

こんな美容師はフリーランスになることをオススメします

ワークスタイルを変えると、生活に様々な変化が起きます。ではフリーランス美容師は、どんな方にオススメなのか?

仕事以外に取り組んでいることがある

会社員でいる以上、美容師は“拘束時間”に縛られるため、上手く時間を用意できません。

そのため時間を割きたい事がある方、例えば「趣味」「副業」「育児」「介護」など、ライフスタイルを見直したい方に有効です。

今よりもっと稼ぎたい

既に顧客を抱えている美容師にとっては、会社員での「歩合」よりも、フリーランスで受け取る「報酬」の額が上回ることが往々にしてあります。

また、個人事業主は労働基準法の労働制限に縛られないため、「もっと時間を割いて、たくさん働きたい」方には、有効な稼ぐ手段になります。

視野を広げたい

シェアサロンや業務委託サロンには、様々な経歴の美容師が集まります。そのため、今まで「会社のルールや価値観」で囲われてきた「井の中の蛙」であることに、疑問を抱いている方にオススメです。

価値観の違い、技法の違い、接客の違いは、働き方の視野が広がるきっかけになるはずです。

2フリーランス美容師は今後こうなる

では、フリーランス美容師が増えた未来はどうなるのか。これは美容界の未来予想です。

1.美容師を辞める人は減る

美容師を辞める理由は「拘束時間」「激務」「薄利多売」「安月給」です。

より収入を得るために辞めた。出産、育児のために辞めた。激務で身体を壊して辞めた。これらはフリーランスの選択で解決できる事例です。

苦労して技術を得た美容師が、ドロップアウトの選択をしなくて済む。フリーランスはそんな“受け皿”になると思っています。

2.美容師は「手に職」食いっぱぐれることがない

美容師として働いていると、度々お客様から「“手に職”だから一生働けるね」と言われます。異常な離職率を誇る美容界なのに、一般的にはそんなイメージが定着しているのです。

髪は伸び続け、「需要」が絶えることはありません。今後、美容師は本当の“食いっぱぐれることのない仕事”になれると信じています。

3.美容師はライフスタイル、プライベートとの両立ができる

美容師は自分自身が「商品」となる仕事です。そのため「自分らしさ=ライフスタイル」が戦う武器です。

仕事とプライベートとの両立は、なにより仕事のパフォーマンス向上に直結します。

まとめ

従来の美容師の働き方と、「こうありたい」理想には大きな差がありました。

ですが、その状況は変わりつつあります。仕事もプライベートも充実する働き方が、多くの美容師の手に届くようになっているのです。

この記事から、美容師が将来のビジョンを見つめ直すキッカケになれば幸いです。

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